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『メゾン・ド・ヒミコ』、観ました。

 『メゾン・ド・ヒミコ』、観ました。
ゲイである父親を嫌い、その存在を否定して生きてきた沙織は、春彦という
若い男から父がガンで余命いくばくもないことを知らされる。春彦は父が営む
ゲイのための老人ホームで働く、父親の恋人だった‥‥。
 きっとパリジェンヌだってズッコケそう…、いかにもアンニュイでお洒落な
タイトルからして、まさか“オカマの老人ホーム”とは思わなかった(笑)。
監督は『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心。だから当然、最初はしっとりとした
男女の情愛か、もしくは乙女のホロ苦い成長物語を期待して観始めたわけだが、
序盤からセクハラすれすれのホモネタ満載、その迫力に困惑気味のオイラは
チョット後ずさり(笑)。まぁ、時として、そのハイテンションに引いてしまう
こともあったのだけどサ。しかし、終盤になるにつれ、それが孤独な乙女を
優しく包む“家族の愛”のように思えてくる。彼らが社会に順応できずに
オカマとなり、人目を隠れて生きる“悲しみの一面”が見えてくる。終わって
みれば、さすが犬童一心監督らしい、コミカルとシリアスがバランス良く
配置された“人間喜悲劇”の秀作に仕上がった。
 一方で、ボクがこの映画で思わず泣きそうになってしまったのは、劇中の
合唱曲として使われる「母が教え給いし歌」の美しさだ。その歌によれば‥‥
子供の頃、母が私に“ある歌”を教えてくれた時、母は涙を浮かべていた。
そして今、自分が母となり、子供に“歌”を教える側になってみると、
私もあの日の母のように涙を流す‥‥、という歌の歌詞。そう、二人が流す
涙のわけは、亡き母の面影を偲んでいたんだね(涙)。結局、ボクがこの歌を
聴いて…、この映画を観て感じたことは、親はどんな時も子を愛し続ける。
例え、自分がオカマとなり、世間から後ろ指を差された後となってもね。
子が“その愛の深さ”に気付くのは、ずっと、ずっと後になってから。そして、
きっとその時はもう手遅れなんだ(涙)。それが痛切だったのはこの映画の
ワンシーン、(自分が捨てた)実の娘から、これまでの経緯と恨み辛みを
聞かされて、「私はアンタを許さない」と一言、その直後に(オカマの)父が
娘に言った言葉の重さ……。短いけれど、いつまでも胸に残る台詞だなぁ。

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Comments

ホモネタ映画だろうと思って敬遠していたことを後悔しました。
いい作品だったです、ファンタジーにリアリティが上手く乗っかって、あの父親の台詞は本当に良かったですね。

Posted by: lin | July 14, 2006 at 02:58 PM

linさん
コメント、どうもです。

はい、多分、ボクも犬童一心監督じゃなかったら、
観なかっただろう、タイトルと内容だったと思います(笑)。

> ファンタジーにリアリティが上手く乗っかって、

そうですね、
そう思えば、“メゾン・ド・ヒミコ”という名の老人ホームや、
つかみどころのないオダギリジョーの役柄など、
作品にどこか寓話的で不思議な効果をもたらしていました。

Posted by: きのこスパ | July 25, 2006 at 09:13 AM

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